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身近な土壌汚染

土地に関するもう一つの重要項目、それが「土壌汚染」です。
土壌汚染が発覚すると、環境汚染による人体への影響はもちろんのこと、
不動産の評価額は下がり、建築を行うための融資がつかなくなったりもします。
場合によっては自分が汚染行為を行ったわけでもないのに、土地の浄化をしなくてはいけない立場になるなどということも・・・。
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身近な土壌汚染

大変恐ろしい土壌汚染!
土壌汚染対策法の施行以来、新聞やTVなど様々なところで話題になっているので、ご存知の方も多いはず。
実は誰でも身近なところに存在しているものなのです。
例えば自分の土地が有害物質を扱う工場の跡地だったということは十分可能性のあることです。
高額の出費の末に手に入れた土地の土壌が汚染されていたなどということがないように、事前にある程度の調査を行うことをお勧めします。
具体的な調査の方法ですが、まずは履歴調査によって汚染の疑いがあるような土地を避けることが
一番簡単にトラブルを回避できる方法です。
疑わしきは近づかず、というわけです。
次に、万が一汚染の疑いがあるような土地であるような場合で、どうしてもその土地にこだわりたいというときは、実際に汚染に関する調査をするしかありません。
調査の結果、汚染がないと判明すれば、晴れてその土地に建築物を建ててもよいということになります。

このように、土地の事前調査というものは、実は大変重要です。
与えられた情報だけでなく、自分自身の目で確認をしていく姿勢が必要なのかもしれません。

国土交通省「土地取引における土壌汚染問題への対応のあり方に関する報告書」

※さらに詳しく →  「地盤調査」事前調査
※調査サービス →  一般共通事項土壌分析

 

土壌汚染とは

環境基本法の典型7公害のひとつです。
土壌に含まれる有害物質の含有量が、「人の健康保護や生活環境を保全する上で、維持することが望ましい基準」(環境基準)を超えた状態のことを表します。

 

汚染物質

重金属で9項目が指定されています。

漏出しても地中深くまで拡散することはない場合が多く、地表近くの土壌中に存在します。
カドミウム及びその化合物
鉛及びその化合物
六価クロム化合物
砒素及びその化合物
水銀及びその化合物
セレン及びその化合物
フッ素及びその化合物
ホウ素及びその化合物
シアン化合物

揮発性有機化合物(VOC)で11項目(ベンゼンを除く)指定されています。

漏出すると大気中に揮発しますが、一部は土壌中に存在します。場合によっては、地下深くまで浸透して、地下水汚染を引き起こす場合があります。
ジクロロメタン
四塩化炭素
1,2-ジクロロエタン
1,1-ジクロロエチレン
シス-1,2-ジクロロエチレン
1,1,1-トリクロロエタン
1,1,2-トリクロロエタン
トリクロロエチレン
テトラクロロエチレン
ベンゼン
1,3-ジクロロプロペン

農薬等で5項目指定されています。

PCB
チウラム
シマジン
チオベンカルブ
有機リン化合物「パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトン、EPNに限る」

 

土壌汚染対策法

土壌汚染対策法の理念

土壌汚染の管理

土壌汚染を把握し、汚染が認められれば、その土地を管理し、新たな土壌汚染・地下水汚染の拡大を防止する必要があります。また、環境汚染のリスクを低減することも重要です。ただし、生態系・生活環境の保存・修復等は、含まれません。

土壌汚染対策法の目的(第1条)

この法律は、土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康に係る被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することを目的とする。と、定められています。
すでに起こった土壌汚染に対する、対処法であり、未然に防ぐ、防止法ではないことが、今後の問題点であると考えられます。

汚染の原因

有害物質の漏出や排水の地下浸透、埋め立て処分された廃棄物からの汚染物質の溶出等で起こります。
また、自然由来による場合もありますが、この判別が難しい状況です。
土壌汚染顕在化の背景として、以下のような項目が挙げられます。

・バブル崩壊後の休遊地の増加
・企業の土地有効利用・資産の見直し等による、工場閉鎖跡地の処分
・欧米の土壌汚染対策の法制化・スーパーファンド法による規制への追随
・平成10年頃から日本においても、土地の質による評価が広がる
・土地の質も土地の資産価値の一部であるという認識
・土地取引時等における、汚染調査の増加により、土壌汚染が顕在化

土壌汚染の問題点

・汚染に気づかない、目に見えない。
・調査方法や対策方法が定まっていない。
・長期間による汚染は原因が特定しにくい。
・調査・対策・処理に時間と費用が掛かる。
・土壌汚染に対する、認識・理解の不十分。
・土壌汚染対策法は土壌汚染による、人の健康被害の防止が目的。

健康リスク

土壌汚染による健康リスク=土壌の有害性の程度×暴露量
暴露がなければ暴露量は常に0となります。よって、健康リスクは問題とならない考え方が問題です。
健康リスクへの対応が求められています。

 

土壌汚染対策法の指定基準と調査

含有量基準

汚染土壌の摂取による影響を防ぐための基準。
汚染土壌の上に一生涯居住し続け、一日当たり、大人100mg、子供200mgの土壌を摂取し続けたとしても健康影響が現れない濃度に設定されています。

溶出基準

汚染された地下水を飲むことによる影響を防ぐための基準。
土壌に含まれる有害物質が溶出した地下水を一日当たり2L、一生涯(70年間)飲み続けても健康影響が現れない濃度に設定されています。(水道基準)

調査義務

有害物質使用特定施設の廃止→土地所有者等:土壌汚染調査の実施・報告→汚染状態が指定基準値を超過(基準値以下問題なし)→指定区域の指定・公示・台帳の作成→汚染除去等の措置

土地の形質変更の制限

工場等で有害物質使用特定施設を廃止した場合は、法の施行日以降に廃止した施設に適用します。
土地所有者等は、工場の敷地全体で、使用していた有害物質について土壌調査を行います。
ただし、その土地を引き続き工場等として使用する場合は、行政に申請すれば調査は猶予されます。

調査命令

健康被害の生ずる恐れのある土地→土地所有者等:土壌汚染調査の実施・報告→汚染状態が指定基準値を超過(基準値以下問題なし)→指定区域の指定・公示・台帳の作成→汚染除去等の措置

土地の形質変更の制限

健康被害の生ずる恐れのある土地で調査命令が出された場合、その土地の土地所有者等は、行政が命ずる範囲・項目について土壌調査を行います。
調査命令が出せるのは、健康被害の生ずる恐れのある土壌汚染が存在する可能性が極めて高い場合に限定されています。

有害物質使用特定施設

特定施設とは、汚水等を排出する施設で政令で定めるものを示します。
また、特定施設で土壌汚染対策法の対象物質を使用するものを「有害物質使用特定施設」といいます。

特定施設のうち、汚水を川や海に排出する場合は水質汚濁防止法に基づく届出が必要です。また、汚水を下水道に放流する場合は下水道法に基づく届出が必要になります。
汚水等の漏出が土壌汚染の原因になることが多く、土壌汚染対策法では、有害物質使用特定施設の廃止時に調査を義務づけています。

調査の実施

土地所有者は、環境省の指定を受けた調査機関である「指定調査機関」に依頼して、土壌汚染状況を調査します。


環境省「土壌汚染対策法に基づく指定調査機関一覧」
 
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