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建築士とは

建築士とは?   そして建築士にしかできない業務とは
目   次

建築士とは

家を建てるときには必ず「設計」を行わなければいけません。
設計を行って、設計図書(図面一式と思ってください)を完成させないと、施工をすることができないからです。
また、ほとんどの場合は行政に対して建築確認申請を行う必要がありますから、行政に提出するためにも図面を書く必要があるわけです。
もちろん、規模によっては自分でやっても良い場合もありますが、例えそうであっても素人が施工に必要な図面一式を揃えることは至難の業です。
そこでプロに依頼する必要になってくる、というわけです。

設計は建築士にしかできない?
では一体「建築士」は何を行うことができる人なのでしょうか?
なんとなく設計をする人、というイメージを持っている人もいるようです。
最初に法的な用語の定義です。

建築士法第2条2項 3項 4項の規定

一級建築士
国土交通大臣の免許を受け、一級建築士の名称を用いて、設計、工事監理等の業務を行う者をいう
二級建築士
国土交通大臣の免許を受け、二級建築士の名称を用いて、設計、工事監理等の業務を行う者をいう
木造建築士
国土交通大臣の免許を受け、木造建築士の名称を用いて、設計、工事監理等の業務を行う者をいう

建築士とは、「設計や工事監理を行うことができる免許を持っている人」ということになります。
では、免許を持っていないと設計や工事監理を行ってはいけないのでしょうか?
結論から言いますと、「できる場合もある」ということです。
要は建築物の規模や構造によって、必要な免許のレベルが異なってくるという仕組みです。

以下は各建築士が行ってもよい建築物の規模の一覧表です。

自分が建てようと思っている家の規模や構造によって、依頼できる建築士の免許が異なります。
この表によれば、免許を持たない人が行うことができる建築物の規模がかなり制限されるということがわかります。
やはり設計や監理は免許を持ったプロの建築士に依頼する必要があるというわけです。
なお、余談になりますが、俗によくいう「設計士」という言葉は誤りです。
そのような言葉は法律の上でも一切存在しない俗語であり、正しくは「建築士」ですので、この際しっかりと知っておいてください。

 

設計

設計とは?工事監理とは?用語の定義を知っておこう
「設計」というと“建築物のデザインを行うこと”というイメージを持つ人が多いかもしれません。
もちろんこれが完全に間違いというわけではないですし、デザインをすることも設計者の重要な業務の一つです。
しかし、設計といった場合、まずは“施工に必要な図面を書くこと”と思った方がまだ正確といえます。
また、「監理」という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、これは一体何を行うことなのでしょうか。
実はこの「設計」や「監理」については法律でもきっちりと定義されていますので、一応知っておくとよいかもしれません。
以下は法的な定義です。

建築士法第2条第5項6項

設計
その者の責任において設計図書を作成する。
設計図書
建築物の建築工事実施のために必要な図面(原寸図その他これに類するものを除く)及び仕様書
工事監理
その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認すること。

簡潔に言えば、設計とは「建築工事を行うのに必要な図面一式を作成すること」となります。
ですから、建築のデザインは、正式には図面を作成する過程で行うものであり、何よりも「設計図書」を完成させることがまずは重要なわけです。
また、工事監理とは「工事の進捗状況に伴って、その状況を設計図書や仕様書と照合・確認し、工事を指導・監督すること」となります。
つまり、完成した設計図書のとおりに間違いなく工事が進んでいるのかどうかを、建築主の代わりに監視するということなのです。
大抵は設計を行った人が監理を行うのですが、別の人が行う第三者監理ということもあります。
これら「設計」と「監理」は建築生産の上で非常に重要な役割であり、欠陥住宅の原因が実は設計や監理の問題であった、ということはよくある話なのです。
欠陥住宅を防ぐには工事だけを注意していれば大丈夫というわけではないということを認識しておいてください。
設計図書とは?仕様書とは?各図面の意味や理解の方法

※さらに詳しく →  「施工業務」設計 設計業務 監理
 

監理


 

良い建築士とは

コスト管理能力

良い建築士の見分け方(コスト管理能力)最近では設計や施工の仕事が減ってきているせいか、何でも“出来ます” “やります”と言う業者が増えているようです。
このような業者ばかりと話していると、安さだけが建築士を選ぶ基準になっているような、錯覚を覚えてしまうのは仕方のないことなのでしょうか?
しかし、良い建築士を見分ける方法は報酬の価格合戦だけではないのです。

優秀な建築士とはどのようなものなのでしょうか?

まず、建築主の選択を否定しない。
その選択が優れている点を説明できる。
後々の使い勝手を考えて、より大きな観点から問題点を指摘できる。
それにより発生する不具合をすぐに見つけることができる。
常に金額のことを頭に入れている。
また、それを気にいった具体的理由を聞き出すことで、コストアップせずに同じことができないかと考える意欲がある。
実はこのような建築士が一番建築主の夢を考えてくれているものです。
たとえその場で具体的なコストアップの金額か分からなくても、このような建築士であれば次回までに必ず金額を調べて、同様の提案を行うはず。
建築主が忘れている、又は気づいていない問題点を指摘できる。
また、設計業務を通して全体像をしっかり把握できている。
何度も言いますが、これはあくまで一例に過ぎません。
ただ、全体を通してみると、良い建築士の条件が見えてきたのではないでしょうか。

良い建築士の条件とは

何事に対しても、建築主の話をしっかりと聞き、メリットとデメリットをしっかりと提示できること。
常に金額のことが頭の片隅にあること。
お互いの話し合いを通じて、建築主の夢をかなえるためにがんばって汗をかくことが出来ること。
以上の条件を揃えているために、無理なものは無理とはっきりと自信をもって言えること。
ということになるのです。
次の頁に、簡単な例を提示します。

 

良い建築士とは  具体例

簡単な例で、建築主が以下のような要望を伝えたときの返答を見てみましょう。

建築主からの要望

建築主

キッチンは床の仕上げをこの雑誌に載っているようなタイル貼にして、キッチンそのものは外国製の○○社の対面型カウンター形式のキッチンを設置してほしいのですが。

建築士Aの返答

分かりました。そのように設計を変更しておきましょう。

このような返答を繰り返していたら、後で見積もりを取ったときに金額が大幅にオーバーしてしまうのは目に見えています。
そのときになって慌ててコストカットを行い、図面上でどんどん製品のランクを落とされ、不要な部分が切り落とされていく様は見るに耐えないものでしょう。
夢にまで見た理想のキッチン像は跡形もなく消されてしまいます。
「こんなことならもっと早くから言ってくれれば余計な夢を見ずにすんだのに。」と後悔するのは大変悲しいものです。
実は困ることはこれだけではないのです。
慌ててコストカットを行うときには、だいたい着工間際でスケジュールも切羽詰ってきているケースが多く、大急ぎで設計を変更するあまり、建築主が全体像をしっかり把握しないうちに施工がスタートしてしまい、完成後になってこんなはずじゃなかったということになるケース。
それから、この段階になると設計も終盤です。
自分はどうしてこんな設計者に設計を依頼したのだろうかといくら悔やんでも後の祭り。
たとえ自分の希望とはまるで違う設計になっていても、このどうしようもない設計者に対して報酬を支払わなくてはならなくなるケース。
このような事態だけは本当に避けたいものです。
では、優秀な設計者とはどのような返答を行うのでしょうか?

建築士Bの返答

分かりました。
このようなキッチンは最近多く取り入れられている形態です。
子供さんがおられる家庭ではコミュニケーションをとりやすいとのことで大変好評のようですね。
私もとても好きなデザインです。但し、これを行うには、今の設計ではリビングが狭すぎます。
対面カウンター式にするとリビングの面積がかなり圧迫されてしまいますがそれでもよろしいでしょうか?それから、このメーカーだとかなり価格が高いので、ざっと○○万円くらいの増額になります。
大変失礼ですが、これを特に気に入られた理由をお聞かせいただけましたら、それと同等の製品を探して参ります。
また、さらに申しますと、先日キッチンに床暖房を入れてほしいとの要望がございましたが、このタイルが果たして床暖房に対応しているかを確認する必要があります。

このように、優秀な建築士とそうでない建築士とでは返答の仕方が異なってきます。

良い建築士の条件とは、

何事に対しても、建築主の話をしっかりと聞き、メリットとデメリットをしっかりと提示できること。
常に金額のことが頭の片隅にあること。
お互いの話し合いを通じて、建築主の夢をかなえるためにがんばって汗をかくことが出来ること。
以上の条件を揃えているために、無理なものは無理とはっきりと自信をもって言えること。
ということになるのです。

 
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