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建築と地震

地震 「震度7でも大丈夫」は嘘か?!
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構造と工法

ご存知の通り、日本は元来とても地震の多い国です。
近年も2004年新潟県中越地震、2005年福岡県西方沖地震などにおいて住宅倒壊や家具の転倒などによる被害が続き、地震対策への注目が高まっています。
きたるべき災害に備え、きちんとした耐震の知識をもっておくことは重要です。
いまではさまざまなメディアで聞くようになった耐震・免震・制震の違いについて説明します。
世界を見渡してみると、建物の構造材料として、木、れんが、コンクリート、鋼などが用いられています。
わが国では、伝統的に木を用い、近代になるとコンクリートや鋼が用いられた建物が増えてきました。
工法は建物をつくるにあたりとても重要な部分です。
それぞれの違いは決して外観や価格、強度だけにとどまりません。各工法の特徴をつかんで、選択の幅を広げましょう。

木造

木材によって建物を建築する日本人にとって馴染み深い工法です。
他の材料に比べ軽量で風合いも良いといった長所があります。
また加工も容易なため、自由な間取りを展開できます。
しかし一方で、防火性が低いのはもちろんのこと、湿気に弱いため、腐朽や害虫の被害にあいやすいという欠点があります。
また、ひとえに木造といっても伝統的な在来軸組み工法や2(ツー)×(バイ)4(フォー)工法(軸組壁工法)など、その作り方は様々です。

RC造(鉄筋コンクリート造)

鉄筋コンクリート造は一般にRC造と呼ばれていますが、RCとはReinforced Concreteの略です。
鉄筋を組んでから型枠をつくり、コンクリートを流し込んで躯体を作る工法です。
材料の性質として、鉄筋は引張りに強く、コンクリートは圧縮に強いため非常に合理的に、高い構造性能が得られます。
また、非常に自由な設計に対応でき、遮音性・耐火性ともに高いのですが、少しコストが高くなるのが欠点です。

鉄骨造

鉄骨造(S造と略します)とは鋼材を構造材料とした構造です。厳密には「鉄」と「鋼」は違うため、鉄骨というより鋼構造といったほうが正しいですね。
鉄骨は木造に比べ強度が高く、鉄筋コンクリートに比べ単位重量が小さいので、中高層建築物や長いスパンの建物を造るのに適しています。
しかし、一般に腐食に弱く耐火性能も低いため、耐火被覆を施すなどの対策が必要となります。

SRC造

SRC造とは鉄骨鉄筋コンクリート造の略称です。
これはその名の通り、鉄骨で骨組を作り、その外から鉄筋コンクリートを被せ、構造体とする工法です。
強度・耐震性・耐久性など様々な点で優れた性能を有していますが、工期が長く、コストも高くなってしまいます。

 

免震構造と制震構造の違い

耐震構造

耐震構造とは、地震の被害を軽減すべく、日本では古くから筋交いを入れる・柱を太くするといった方法で建物を堅固にし、耐震構造としてきました。
しかし、1995年阪神淡路大震災を境に、単に強固な建物を目指すのではなく、地震の揺れを吸収することで被害を低減しようという動きが強くなってきました。
そこで注目されたのが免震構造や制震構造といった技術です。

免震と制震の違い

免震構造とは建物と基礎との間(もしくは建物中間層)に積層ゴムなどの免震装置をはさむことで地震力を吸収し、震動を低減する構造です。
免震構造にすることで地震力を1/3以下に低減することができます。
最近住宅メーカーがしきりに宣伝しているのはこの構造を利用した建物ですね。

制震構造とは

制震構造とは、建物の内部や屋上にダンパーなどの制御装置が地震発生時に作動し、地震動を吸収する構造です。
コストは免震構造に比べると安価ですが、低減率は免震構造より低く、地震力を3/4程度に低減することができます。
また、「震度7」という表記は、気象庁が観測点における計測震度6.5以上のものをすべてそう定めているに過ぎません。
上限がない「震度7」に対し、「震度7にも耐える家」という表現は少し気持ち悪いですね。

 

新耐震基準は安全の基準か?

地震と建築についての関心が高まっている今日、新耐震基準という言葉をメディアで聞いたことのある人もいることでしょう。
そもそも建築物の耐震の基準は建築基準法や施行令、告示などによって定められています。
現在使われている基準は1981年に改正されたものであり、それがいわゆる新耐震基準と呼ばれるものです。

法改正

改正のきっかけになったのは1978年(昭和53年)の宮城県沖地震でした。
この地震は宮城県仙台市沖で発生し、マグニチュード7.4震度5(兵庫県南部地震のマグニチュードは7.2震度7)を記録する大災害となりました。
住家の被害は全半壊・部分壊を合わせると9万戸以上であり、この震災の教訓をいかし、1981年(昭和56年)に新しい基準法を施行することとなり、それが現在の新耐震基準となったのです。

新耐震基準の特徴

新耐震基準には次のような特徴があります。
50年に一回程度のまれにおこる中小地震に対しては 材料にかかる力を許容できる範囲内に抑え、建築物の損傷を防止しようとし、500年に一回程度の 極めてにおこる大地震に対してはある程度の損傷を許容し建築物の崩壊を避けることで人命を第一とする方針です。
また、柱のせん断破壊を予防し、平面的にも立面的にもバランスのいい設計が行われるようにしています。
”バランス”というのは例えば、堅い壁がある方角に集中していたり、階ごとの強さに大きなばらつきがあると 不安定だということです。
街中に見られる1階がピロティになっているマンションなどは、1階の強さが他の階に 比べて非常に弱い場合が多く、不安定といえるでしょう。

兵庫県南部地震

1995年の兵庫県南部地震の際にはこの新耐震基準以降の建物は、それ以前の建物に比べ極端に被害が少なかったという報告が出ています。
逆に、新耐震基準を満たしながら大きな被害を受けた建物は施工ミスの可能性もあります。
そのような理由から、新耐震基準を満たしているだけでもちろん十分とはいえませんが、少なくともそれ以前のものに比べる と安心できるといえそうです。
1981年以前の建物には耐震診断と耐震補強の必要があるでしょう。

貴方の家を自分で耐震診断してみよう!

 

地震と法律及び制度

2005年耐震強度偽装が話題になり、全国の人々が地震と建築物の関係に注目するようになりました。
「法律をなんとかしろ」とか「チェックするしくみをつくれ」とか「建築士の資格をかえろ」とか声高に叫ばれていますが、従来日本では地震に対し、建築物にはどのような基準や制度がとられていたのでしょうか。

 
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